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基本的に時事ネタ、たまに趣味のフライフィッシングや自転車ネタで綴ります

フライとの出会い・・・老人と川

もうすぐ2月です。早い所は渓流解禁ですね。
フライを始めて何年になったんだろう。
フライを釣りとして認識したのはいつの日だっただろう・・・

子供の頃に本で知った釣法であり、釣っている写真も見た。
しかし、実感としては半信半疑だった。
ホントに日本でも釣りになるのか?ホントにやっている人はいるのか?
このような疑問を持ったまま大人になった。
ある日、ふらっと渓流をそのまま利用した管理釣り場へ足を運んだ。
当然、行くつもりなどなかったから釣り道具など持参していない。
釣りをする気もなかった。
本当に何となく・・・
川原を歩いて釣りをしている人々を眺めていた。
エサ釣りの家族連れ、恋人との二人連れ
みんなそれなりに楽しそうだった。
私の目の前にはルアー小僧がいる。
といっても私も小僧だったのだろうが!
闇雲にルアーをキャストしている。
釣れていないようだ。
ふと目をそらすと私のすぐ横に老夫婦が立っている。
二人共、完全に腰が曲がった紛れも無い老人であった。
しかし、老人の右手にはバンブーロッドが握られていた。
使い込んだコルクグリップにはこれまた古ぼけたリールがついている。
老夫婦は先ほどのルアー小僧をじっと見つめている。
私の視線に気づいたのか軽く会釈した。
私も会釈する。
全く釣れなかったルアー小僧が引き上げると老夫婦の妻であろう女性が動いた。
老女は軽く老人の背中を押したように見える。
押された老人は軽くうなずくと同時に小僧がやっていた場所へスタスタと足を運ぶ。
川から離れた場所に丸まった背中をさらに低くして川を見つめる。
するとそれまでとは別人のようにロッドを振り始めた。
別人とは老人の風体からは想像できない凛とした空気が流れたからだった。
かなり柔らかいバンブーから繰り出されるゆったりとしたラインが美しく静かだった。
初めて生のフライフィッシングを見る私に衝撃が走ったと言うかアドレナリン噴出している感がある。
見ている私が一番興奮して心臓をバクバクさせていたに違いない。
老人のフライが水面に着水する。
すると先ほどまで散々ルアーが放り込まれていた水面が割れて魚が反転した。
私は興奮しながら水面に釘付けとなった。
ふと我に返ると老人のロッドは弧を描いてラインから水滴が飛び散っている。
すかさず老女がネットを差し出すと彼は無言のままネットを掴みランディングした。
私は、初めてフライフィッシングと言うものを見た気がした。
呆然と立っている私に老夫婦は二人で会釈した。
この会釈で完全に我に返った。

これが初めてフライフィッシングを釣法として認識できた出来事だった。
おそらくこの老人は若い時に渓流の岩を飛び回りフライを投げていたのでしょう。
年老いて体が動かなくなり渓流から遠のいた老亭主にもう一度釣りをさせたかった老妻って感じでした。
こんな老夫婦になれたイイな~と思った。
現実はキビシ~!(笑)
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by thkflyfisher | 2005-01-21 17:52 | 禁漁につき・・・